レストア完成完動品…
某所で購入したロビ、まず2台のロビとロビエッグの写真を見て(よく見ると奥にもう一台)、即決金額が、まぁまぁ妥当だったので、慌ててポチってしまった。ジャンク2台、ロビエッグ1台なら妥当な値段と思ったからだ。ただ、説明を見るとロビ1台と付属品。色々写っているのでどれが送られてくるの不安になる取引だった。で、確かに見かけはジャンク品に比べれば綺麗かもしれないし、スイッチONですぐに動いた。ただ、踊ってもらうと右腕が上がりっぱなしに… そして、何度か動かしている間にサーボ(ID:17)が火を吹く。レストア?、完動品って?
分解で見たレストア品の実態
レストア品配線の被覆破れ(複数箇所)
まず、焼損した右腕を分解していくと…
ケーブルの状態が良くない…、これらが動きによって接触し、エラーとなり信号が途絶、動かなくなるのだろう。今度は動作が固まったら直ぐに電源を落とそう。それ以前に、制御側にサーボが音信不通になったらその系統の電源を落とすような仕組みをソフトウェア側(電流監視?)、ハードウェア側に実装(チップヒューズ?)、エラーログ等にも残すようにしよう。
バカネジ(後述)などは大きな問題にはならないが、配線の被覆破れは最悪、火災になる。高電圧・多関節ロボットにおける細い配線が密集し、高電圧のリチウムポリマーバッテリーを搭載しているロボット特有の構造をかなり軽視している。これを「完動品」として流通させる行為はレストアと言うより、悪意はないのだろうが「時限爆弾」の押し付けに等しいかも。酷い…


ネジのサイズ違い・不適合
ついでに、左腕もメンテナンス。
焼損した「右上腕フレーム」と同じ、「左上腕フレーム」のサーボ(ID:20)のM1.7の場所に、M2.0の皿ネジがはめ込まれている。サーボモーター用のネジは30mm以上あるので単に嵌めているだけ、サーボを止めるネジはほぼ間違わないのだが…、サーボモーターの雌ねじ側(「左上腕フレーム」の)が割れていてネジが止まらないため、空いているネジ穴にM2の皿ネジをはめ込んでたんだ。なってこった、誤魔化し方が酷すぎる。
個人的にネジに関しては、ロビのネジの使用箇所に関しては、皿ネジ、鍋ネジ、長さの指定があるので、組立時にわかりやすくする工夫が欲しい。ちょっとまとめシート、チートシートを作るかな。
なお、今回のレストア品と称するほぼジャンク品は、故意?技術があまい?なにしろレストア時のチェックが出来ていないし、修繕(つまりレストア)出来ていない。そもそも、ネジを力任せに回しすぎ、締めすぎによるネジ穴の破損が多すぎる(まだある、後述)。これは、最初に組み立てた人の問題かもしれないが、それをレストアしていない。

上側が正常のネジ。下側が今回問題としている状態のM2の皿ネジを嵌めた状態

パーツの割れ
「肩パネル」の割れ、まぁ、これはそれほど重篤ではない。プラリペアて修正して塗装すれば問題ない。これも以前の持ち主の影響かもしれないね。力任せすぎる…
あ、プラモデルの塗装経験がほぼないので、現在、ガンプラの動画を見まくって、イメージトレーニン中…
道具も揃える必要がありそうだ。

稚拙で強度のないネジ穴の修正跡
「マフラー」を「右ボディカバー」に接続するネジはM2・12mm皿ネジ。ここが潰れてバカネジに。何やらゴム状の接着剤で止まっている。樹脂との接着性は無いようで、ポロポロと剥がれる。「左上腕フレーム」のサーボ用のネジ山にはこの補修が施されていなかった。ここはM2熱圧入インサートナットで修復してみるか…ちょっと、深さが足りなさそうなので、プラリペアかな?
「サーボホーン(肩)」のネジ穴もバカになっている…こちらはプラリペアで修正かな?インサートを入れる肉厚はなさそうだ。深さ方向は十分余裕があるが、力がかかる場所だから、新品交換かな。
この段階で、頭部に向かうI²C通信用のケーブルは新品に交換済み。被覆破れと線がバラけてた…


修繕
サーボケーブル
本来、被覆が破れている配線を見つけたら、安全性(ショートや発熱による火災リスク)を考慮して新品のハーネスに引き換えるのが大原則なのだが、このケーブルの入手性は良くないので、使い回されているのが実情か。自分の場合、大量のストックをそのために確保している(場合によっては作る準備もしている)。しかし、このレストア品は135mmのサーボケーブルの部分に200mmを使用している、引き出す場所もオリジナルと違っている。200mmは使用頻度が高くなく、貴重だよな?135mmの方が使用頻度がより高いので貴重のか?
さらに問題なのは、ロボットの設計上の宿命で、関節が激しく稼働するたびに、極細の配線が内部のサーボ基板やフレームと擦れ合う構造になっており、どれほど丁寧に組み立てても、可動部がある以上はいずれ被覆の擦り切れ・摩耗は避けられない。
つまり、限られたリソースと安全マージンを計算しながら「動態保存」のための泥臭いメンテナンスを続ける必要があり、レストア品として万人向けに提供するには大きなリスクが存在する代物なんだと思う。維持するには技術と根気と資金が必要で、そのリスクを受容できる者だけに開かれた世界なのだと痛感する。
思い返せば、肩サーボの焼損で組み立てが止まったジャンクを入手したこともある。おそらく知識の浅い初心者が、組み立て時にケーブルを挟み込んでショート事故を起こし、ショックのあまりそれ以降の作業を諦めて手放したものだろう。デアゴスティーニの『ロビ』は、まさにこの手の素人をこちらの世界に招き入れた立役者だ。困難を乗り越えて扉を開き、道を歩み始めた者もいれば、途中で挫折していった数多の人々の姿が目に浮かぶ。
バッテリー本体には「7.9V、終6.2V、693mAh」などとリポバッテリーの特性やカットオフ電圧が細かく書き記されており、レストア主に電気的知識がなかったわけではなさそうだ。それだけに、肝心の配線がこれほどまでにボロボロな状態なのは残念だ。よくぞこの状態に「OK」のシールが貼れたものだと、複雑な思いが残る。
焼損部品の修正、ネジ山復活加工とその他の加工
焼損箇所の修繕
これまで、焼損しているサーボモーターを目にしたのは今回を含め4つだったと思う。YouTubeなどでは見た事はあったが、自分の目で焼損事故を見たのは初めてだった。また、焼損箇所についても、これまでのサーボはコネクタ周辺だったのだが、今回はレギュレーター?MOSFET?部分が焼けていた。生きている基板が一枚あるのでこのサーボについては基板交換する。ただし、その換装用基板は隣接サーボのショートの影響でコネクタにわずかな変形がある。一応、コネクタは挿さるが交換しようと思っていたものなので、基板の換装はコネクタ交換をしてからになる。両面基板だし、コネクタのはんだ付けはすこし難易度が高いので、とりあえずストックしておく。
熱風の影響でやられた「右上腕フレーム」のABS外装の修繕については、膨れた部分を削り取ったところ、穴が空いてしまった。熱によるヒケも見られる。この部分をプラリペアで修正して使えるようにする。使用材料は武藤商事のプラリペア。


ネジ山の復活
「左上腕フレーム」の雌ねじと「肩パネル」の割れもプラリペアで修正する。「ボディカーバー」部分にはインサートを使った。「サーボホーン(肩)」に関しては新品に交換。
部品(「ネックサーボホルダー」)の加工
これは、修繕とは関係ないが、首にケーブルをもう一本通そうと考えている。頭部のRaspberry Pi zero2 と胴部のRaspberry Pi Pico2間の接続はI²Cではなく、より高速なSPI接続を予定している。さらに、スピーカーを利用するためI2S接続用の信号ケーブルを通す。電源線を含めると計9本(SPI:MOSI, MISO, CS, CLK、I2S:BCLK, LRCK, Din, 電源:V+, GND)。サーボケーブルも1本通すことになる。可能だろうか?
なお、音声再生はMAX98357Aを考えている。これをちゃんと使おうとすると、もう少し制御線が必要なので、さらに音声用の制御信号が増える。そのため、スピーカーを頭部に移す事も考えている。とはいえ、SPIへの変更はほぼ確定事項なので、頭部へのスピーカーの移動で6本になるだけかもしれない。いずれにしても「ネックサーボホルダー」の加工は既定路線としてすすめる。
スピーカーの頭部への移行は、ボディの追加工と全面スピーカーのパネルの交換も必要になる。ロビに過度な加飾を加えた改造も過去には流行っていたようだが、自分はオリジナルのイメージを壊さずに追加する方針。

まとめ
最終的に、配線はほぼ全部取り替え、サーボも分解組み立て、ギヤ欠け確認の後、グリスアップ。さらに、有効か自信無いが、次の2点。
- サーボの基板にカプトンテープを貼り付けて、配線が直接基板に触れないように保護
- サーボケーブルの撚線に薄く液体シリコンゴムを塗布して、撚りが解けるのを予防
シリコンゴムに関しては撚線がばらばらにならないようにしているためなのだが、これには副作用もあって、そもそも、動いた時の負荷を受け流すために撚線にしていると言う理由もありそう、固めるとかえって特定の箇所への負荷が大きくなる可能性もある。ただ、撚線が解け、サーボケース内を自由に動き回られ、さらに基板に接触、断線も嫌なので、この加工を行っている。最悪、この加工をしていれば、ケーブル内の導線が破断するだけの可能性が高いと思うから…。
なお、撚線が解けるのは、サーボケーブルをコネクタに接続した後、設置する際に撚線が解ける方向にサーボを回転させることが影響している。これを注意するのはかなり難しく、末端のサーボ以外は2本のケーブルが接続されるので、接続した後に回転させると大体どちらか一方の撚りを解く方向に回転する。したがって、一方を接続してから設置する体勢を保持して、もう一方を接続する必要があったりするのだが、これが小さいのでかなり難しい。結局両方を接続してから回転させたりすると一方が解けてしまう。Robi2のサーボモーターはこの点が改良されていて、コネクタの配置が180度回転している。
いずれにしても、安価に競り落とし、安易な修繕に付加価値を付けて再出品する人たちが現れてしまった。30,000円で競り落とし、同じ写真を使用して35,000円で出品する人もいたりする。それって、売れるのかな?
密かに楽しんでいた身には残念な状況だ。数ヶ月前の入手コストが、ジャンク品1体あたり、3000円から4000円だったのが倍になっている。安価な素材の入手が難しくなりつつある(自分も転売はしていないが、そう思われているかも…、積極的な部品の収集が価格高騰の要因の1つでもある)。3Dプリンタによる部品生成も考えないとだめかな?ここ数年、CNCフライスや旋盤も稼働させていないので、再稼働の準備を整えよう。
あとは、ACHコネクタ用のハーネスの自作も考える必要がありそうだな…実体顕微鏡とENGINEER PAD-11でなんとかなるだろうか?部品番号を調べてみたけど、あっているかな?以下に必要な部品番号(JST ACHシリーズ 3極用)
- ハウジング(ソケット側樹脂パーツ)
- 型番:
ACHR-03V-S
- 型番:
- コンタクト(圧着端子・メス)
- 型番:
SACH-003G-P0.2(またはSACH-003G-P0.2B) - 適合電線: AWG30 〜 AWG28 (推奨電線:UL1571やUL11527などの細径電線)
- 型番:
しかし、レストア品と呼称するのであれば、サーボのグリスアップ、各関節にスラストシムの挿入ぐらいして欲しいよね…自分はポンチセットがあるので、極薄PTFEとか入手してある。POMは薄いのが見つからないので、CNCフライスで自作かな?レーザー加工も良いけど、POMはよく燃えるし、PTFEはフッ酸が出るから不可。POMはギリギリ出来るけど、見えない火が出るし、アシストガスが空気だとよく燃えるので怖い…。加工品のエッジも丸くなる…極薄だと間違いなく燃えそうだ… なんで、POMはフライス加工だな。
さいごに、よく説明を読まずに即決してしまった悔しさもあり、辛辣な物言いになっているかな?少しネガティブに書き過ぎたかも?
ただ、リスクとして、Robiというロボットは、販売から年月が経っていることに加えて、あのサイズに大量のサーボモーターとCPUボード、そしてリポバッテリーを詰め込んだ超高密度な構造で、関節が動くたびに配線やギアにストレスがかかり、経年劣化でプラスチックのネジ受けは脆くなり、ちょっとした組み立てのズレがショートや発熱のリスクに直結する。文字通り「いつどこに爆弾を抱えてもおかしくない、究極の自己責任の塊」だ。
それを「完動品」「レストア済み」という耳当たりのいい言葉で、まるで普通の家電製品や完成ホビー品と同じ感覚でフリマやオークションに流すこと自体が、機械の特性やリスクを全く理解していない危険な行為なんだと思う。
願わくば誰も大怪我しないように…

